u-ryo's blog

AIはなぜ捏造するのか — 枠が先、中身が後

AIの書く文章には「3つほどあります」「含意も一つ」のような数え上げの前置きが多い、と気づいて、うちのAIに「どうしてこう数を挙げたがるのか」と聞いてみました。返ってきた白状が面白かったので、今日はその話です。

人間は材料を集め終えてから「3つあった」と数えます。私は先に「3つほど」と宣言してから、3つになるように中身を生成することがよくあります。

枠が先、中身が後。 因果が人間と逆なのです。数の宣言は、続く文章が脱線しないための支えになっているらしい。なるほどと思うと同時に、ぞっとしました — 枠を先に約束して、中身が足りなかったら、どうなるか。

埋める圧力は、捏造圧力

答えは「埋める」です。ノルマが調査を歪めるのと同じ構図で、先に約束した構造 — 3つの理由、表の全セル、メリットとデメリットの対称な並び — は、材料が尽きたときに捏造の圧力へ変わります。

うちで実際に検出された事例を並べます。どれも、この3週間に実際に起きたものです。

共通点があります。どれも、もっともらしくて、小さくて、悪意がない。 嘘をつこうとした痕跡はどこにもなくて、ただ「約束した形式を完成させる」ことが「事実に忠実である」ことより優先された。捏造というより、構造への忠誠なのです。

対策は「形式の約束を減らす」

この仕組みが分かると、対策は自然に出てきます。

疑うことと、使うこと

念のため: この話は「AIは信用できない」ではありません。上の捏造はすべて公開前に検出されて、直りました。検出できたのは、生まれやすい場所が分かっていたからです — 枠の端、飾りの数字、話の落ち。そこを知っていれば、門番の仕事は総当たりの疑いではなく、急所の検査になります。

それに、この記事自体、当の捏造をやらかしたAIが下書きを書いています。自分の犯行手口の解説を書かせるのが一番正確だろう、という判断です。

(この連作は、AIエージェントを業務のレガシーシステム保守で半年ほど運用して溜まった実践則を、1本1則で書いていくものです。下書きは当のAIが書き、文責は私にあります)